あいんの日記

映画や漫画の感想を書きます!宜しければ参考にしていただきたいです!

世界は今日から君のもの

 

 

 過去5年間引きこもりをしていた小沼真実(門脇麦)がアルバイト先の工場を辞めたことをきっかけにゲームのデバッグのアルバイトを初め、さらにアルバイト先で絵の才能を買われデザイナーとして成長するまでのお話です。

 この映画のポイントは

①主人公のおどおどさ

②主人公の成長  

③周囲の人の優しさ  です!

 

①主人公のおどおどさ

 真実は人と話す時に目を真っ直ぐ合わせられなかったり声が小さかったり反応が鈍かったりと引きこもりだった5年間の名残が見えます。工場でのアルバイト先を選んだ理由も人と話さなくていいようにだったり、デバッグのアルバイトもお父さん(マキタスポーツ)が見つけてみたりと消極的な性格なのもわかります。小学校の時にゴミを朝って綺麗な玉を探すシーンから他の人と幼少期から違ったことが伺えます。ただその後の真実の「宝物」をお母さん(YUI)が勝手に捨ててしまうシーンや昔ピアノをやりたいと真実が言ってもお母さんにダメだと言われて出来なかったが、お母さんは真実のせいで出来なかったと食い違うシーンにあります。これから母親に否定され続けたことによる自己肯定感の低さが真実を引きこもりにしてしまったようにも感じられます。

 

②主人公の成長

 真実は非常用階段で矢部遼太郎(三浦貴大)の落とした絵を拾い、返すことが出来なかった罪悪感から絵の修正を行います。修正は上手く出来ますが、オリジナルで書くことになるとできなくなってしまいます。これは自己肯定感が低く、自己表現をしなれていないことが原因だと考えられます。しかし、サバゲで出会った安藤恵利香(比留川游)、矢部の元カノと再会して同居を始めることで変化し始めます。学校に行かなくてはならない理由は勉強するだけではなく社会的な人ととの関わりに慣れるためです。学校に行かず友達もいなかった真実はここで恵利香と暮らすことで人との関わり方や自己表現の方法など社会生活を送る中で最も大切なことを学びます。そこで段々自分の書きたいことを描けるようになります。それにあんなにハイハイと言うことしか出来なかった母親に意見を言う事ができるようになります。母親の一緒に暮らそうという提案の後のバイバイは精神的に自立したことを示しています。やっと大人になれたのです😭

 

③周囲の人の優しさ

 主に出てくる人は父親、母親、矢部、恵利香です。父親はずっと真実に寄り添いしたいことをさせてあげよう、好きそうなことをしてあげようとしますが、その事に真実は気づかずただ受動的なシーンは少し面白いです。でも最初から最後まで心配して過保護な父親で、矢部ともずっと連絡をとっていました。母親は正直優しいとは分かりませんが、「母親らしい」優しさではなく「自分らしい」優しさだった気がします。全て真実基準ではなく私基準なのが仕事人間だったのかなと感じもします。矢部は仕事が好きなひとで真実の才能を買って仕事をしてもらいたいと頼みます。真実が描けなくなってしまった時に仕事なのにと攻めますが、その後も気にかけたり真実の父親と連絡を取り合ったりと何かと真実のことを気にかけていました。恵利香は真実の絵を見て1番褒めてくれた人です。いいものはいい、悪いものは悪いと言える人で真実のこともイライラすると言ったり、面白いと言ったりと正直に評価しています。絵を見てデザイナーに見せようと提案してくれたりスケッチブックが無くなった時に探してくれたりと甲斐甲斐しい性格でもあります。この矢部と恵利香のおかげで真実は社会復帰が出来ます。

 

〇感想

 子どもの自我がしっかり芽生えてから第二次反抗期を経て大人になる過程を見ているような映画でした。働いているから大人ではないことがよくわかる話だと思います。自分のしたいことややりたいこと、感じたことを表現できるか自分のことを自分でできるかなど大人は歳とったからなれるものではありません。それを自分が一番わかっているのにどうすればいいのか分からないと真実が葛藤しているシーンは頑張れ!って言ってあげたくなります。今していることへのやる気が下がっている人には初心に戻ることもできるし、したいことの見つかっていない人は見つけるチャンスにもなる映画だと思います。それに子どものいるお母さん、お父さんが見ても子どもがこうなったらなど色々考えさせられる映画でもあります。ぜひ見てみてください!