あいんの日記

映画や漫画の感想を書きます!宜しければ参考にしていただきたいです!

ジョーカー

 

 

 これはコミックス「バットマン」に出てくるジョーカーの誕生秘話です。しかし誕生秘話だけで片付けるにはあまりにも深すぎる映画でした。私はバットマンを見たことがありませんがひとつの物語として見ることができとても面白かったです。まずアーサーの風貌は冴えなくて気味の悪い感じをしています。さらに脳の病気で急に笑いだしてしまいます。カウセリングを受けますが一向によくなりません。これは小さい頃に母親からあなたの笑顔が素晴らしいと言われたことが忘れられないからなのかなと思いました。笑っていたら母親を幸せにできると思ったのだと思います。その記憶があるためコメディアンになって注目されたいという夢がずっとありました。人からはバカにされ他人からも疎まれていましたが、いつまでもその夢は持っていました。しかし仕事をクビになったことで絶望的な気持ちになり、怒りと悲しみが混ざったような雰囲気で地下鉄に乗っていました。3人の男性にナンパされている女性とアーサーの5人だけでした。アーサーは急に笑いが止まらなくなり男性たちに殴られます。護身用にラウセルから貰っていた銃で男性たちを撃ち殺してしまいます。この瞬間今まで誰からも無視され拒否されてきた人生で初めて人に影響を与えたことに快感を覚えます。ここからアーサーは自分を表現することに執着し、プライドがより高くなります。人を殺すことが自己表現として成り立ってしまうのがとても悲しいことです。この後からコメディアンとして成長?をします。クラブで話してる人の話を聞いてみんなが笑ったタイミングをメモをします。このおかげでクラブでは笑いを取りますが、笑うタイミング、面白いと思っていないのに無理やり笑っているのも痛々しくあります。アーサーはずっと映画内で笑っているシーンがありますがずっと違和感のある笑顔なのが少し怖く悲しくもあります。クラブで笑いをウケたシーンがテレビで放送され、司会者に揶揄されます。テレビで映し出されたことは嬉しがっていましたが、バカにされたことに怒りを感じていました。今まで無視されてきて、受け入れられなかったことでバカにされることに過敏になってしまったのだと思います。さらに優しかった母親は実は実の母親ではなく、精神疾患者でアーサーが義理の父親に虐待を受けている姿を黙って見ていたことが分かります。今まで母親のために生きてきて、夢を追ってきたのにその事実を知ったシーンはとても痛々しかったです。そこからタガが外れて同僚を殺したり、出演した番組の司会者を殺します。最後映し出された病院でもカウンセラーを殺します。アーサーの受けてきた仕打ちは辛いものです。最終的に人を殺すことに何の躊躇もなくなってしまいます。

 また映画内ではアーサーが3人の男性を殺したことにより騒動が起きます。この犯人のことをバカにした富裕層のウェインによって富裕層と貧困層の差があることを明確化させてしまいそれが貧困層の怒りを買ってしまいます。この差別はアメリカでは顕著に現れていて社会問題のひとつにもなっています。この騒動が起こったこともアーサーの心を満たしたのかもしれません。全く上手くまとめられなかったけどめちゃくちゃ深くてめちゃくちゃ悲しい物語です。バットマン見てみたくなりました!是非お勧め!