あいんの日記

映画や漫画の感想を書きます!宜しければ参考にしていただきたいです!

私がクマにキレた理由(わけ)

 

 

 主人公アニーがナニー(ベビーシッター)として奮闘するお話です。アニーは次で4回生で進路を決めなくてはならない時期のお話です。私もちょうど就活生ですので、なんだか身近に感じられるお話でした。

 アニーは成績優秀で人類学を学ぶ大学卒業を約束された人物でした。しかし、意気込んで就職活動をしようと面接に向かいますが自分のしたいこと、自分がどのような人物なのか分からなくなり面接を途中で帰ってしまいます。その帰り公園で悩んでいると、電動の乗り物に乗っていた男性がよそ見をしていて男の子が轢かれそうになりそれを助けます。そのことから男の子の母親にナニー(ベビーシッター)として働かないか誘われます。その場にいた女の人達にたくさん誘われました。人によってベビーシッターに頼むことは異なり色んな人で体験をした後、最初に声をかけられた母親の家で仕事を行うことに決めます。親友には反対されましたが、ニューヨークに住めることややりたいことが見つからないこと、母親に心配されたくないなどの理由のために母親に嘘をついてその女性の家へと向かいました。彼女はミセスXといい、家はとてもお金持ちで綺麗な女性でした。しかし息子のグレイヤーはわがままで暴力的です。さらに名門大学付属の小学校に入学させるために毎日習い事や勉強までするように指示をされます。毎日そんなことしてては自分がしんどいという理由もありますが、グレイヤーと内緒で添加物のものを食べたり行くように言われていた美術館に行かなかったりして、楽しいことを教えることでグレイヤーと仲を深めていきます。グレイヤーはずっと一緒にいてくれて愛情を与えてくれるアニーにだんだん心を開いていき嫌なことがあるとアニーに駆け寄るようになりました。その姿にミセスXは不服そうでしたが、それ以上に愛人に夢中でなかなか帰ってこない旦那の心を引き留めることに夢中でした。スパに行ったりセミナーに通ったりしてグレイヤーのことはほったらかしでした。そんな中アニーも恋をします。同じ建物の男性でグレイヤーに手を焼いている姿を見られたことがきっかけでした。彼はハーバード出身のエリートで、性格もいい好青年でした。彼はアニーにアタックをしますが、生きてる環境が違うと突き放してしまいますが、彼の幼少期の話を聞いて考えが変わりストッパーがなくなり惹かれてしまい付き合うことになりました。ある晩、ミセスXはミスターXとの結婚記念日のディナーのためにオシャレをしていました。しかしミスターから行けなくなったと連絡があり腹を立ててスパに行ってしまいます。グレイヤーは行かないでと泣きますが無視をして行ってしまいました。グレイヤーは40度を超える熱を出して吐いたりしていしまいアニーは困った末に母親に連絡をします。看護師である母親のおかげでグレイヤーは落ち着きますが、アニーは就職をしたと嘘をついていたことを責められ不穏な空気になりました。その時ミセスXが帰ってきて、グレイヤーが熱を出していると連絡したのになぜ返事がないのかとアニーが聞くと、今は落ち着いたのだったら問題ないでしょといいアニーの母親にも失礼な態度をとって寝室へ行ってしまいました。母親は納得のいかない様子でしたが、そのまま帰ってしまいます。数日後、X家はディナーを断った埋め合わせとして家族旅行に出かけます。もちろんアニーも一緒です。そこでアニーはミスターXにセクハラをされたり、恋人がいることを知ってたとミセスXに打ち明けられてクビにされてしまいます。ナニーは恋人がいてはいけません。グレイヤーに追いかけられながら車で帰らなくてはならなくなりました。帰りのフェリーで貰った給料の少なさに今まで不満が爆発しました。X家につくと、ナニーカメラという、ナニーが普段何をしているかを監視するカメラを探します。そこからアニーがどのようにグレイヤーに接していたのか、プライベートのことなどを見られていたと最後聞かされていました。ナニーカメラはクマのぬいぐるみでした。アニーは働いてみて思ったこと、ほとんど愚痴ですが全部クマ(母親)に向けて思いを伝えたあと、クマを思いっきり殴って家を後にしました。数ヶ月後、アニーは大学院に進学します。奨学金制度を彼に手伝ってもらって探し進学することにしました。そんな時にミセスXから手紙が届きます。手紙にはアニーがカメラ越しに伝えた思いに感銘を受け、主人と別れグレイヤーが1番大切だと言うことを思い出したという内容でした。その感謝が綴られていました。グレイヤーは初めはアニーがいなくて寂しがっていましたが、段々といないことに慣れてきて落ち着いてきたという内容で手紙は終わっていました。アニーはすこし寂しそうな表情を浮かべましたが、彼に手を引かれ輝かしい未来に向かって歩いていくシーンで映画は終わります。

 映画の中ではベビーシッターを必ず雇うという考え方があって、日本とは全く違うため不思議な感じがしました。たしかに昔は産む人と育てる人を分けている時代もありましたが、今はそんなことありません。特にナニーとはベビーシッターとは違って子守りだけではなく教育や食事など全てを親に変わって管理する職業のようです。そのため思ったよりも大変なお仕事なのが分かります。特にアニーは住み込みで働いているため急にお休みが無くなるということもありました。また恋人を作っていけないというルールもあるためプライベートとの両立は難しい職業のように思います。アニーは就職活動の壁にぶつかってナニーになることになりますが、何をしたいか分からない、自分とは何なのかが分からないから他のことをしてみるといった、冒険的なことをプラスなことと考えている、最終的にプラスなことになることにも違和感があって面白く感じました。日本では冒険をすることは良いものと捉えられておらず、日本の映画だったらきっと最後は悪い方向に進んでバッドエンドで終わるでしょう。しかしラストには自分の方向性が見つかった姿を見ることが出来るのはとても気持ちがよかったです。x家についてですが、家の中の一般的な問題(特に富裕層の家の問題)を大袈裟に体現しているようでした。ミセスXは子どもよりも自分のことに夢中で、ミスターXは不倫をしていて、グライヤーは親の無関心下で育てられた子どもの典型でした。親たちは間違ったことをしているのに何が間違っているのか分からないといった感じなのがまた腹立たしかったです。アニーはそれをクマを介すことで伝えていてミセスXの周りの人たちも泣いていて、このセミナーは人生を良くするために役立つセミナーではなく、こういう少し満たされない人達の集いだったのだと分かります。自分に見向きもしない旦那よりもたくさん求めてくれる子どもの方が大切な事に気づかせたくてアニーはカメラ越しに思いをぶつけたのかもしれませんね。日本のお母さんでも共感できる事とか気付かされることがあるかもしれません。