あいんの日記

映画や漫画の感想を書きます!宜しければ参考にしていただきたいです!

聖なる飼育

 

 

 「宗教への過信から救済」までを表した映画のようでした。

 

 主人公タマラはカルト集団のリーダーであるミゲルを最初は彼のことを想ってしまうほど信じていました。タマラは産まれてからずっとカルト集団の中でミゲルに育てられてきました。そのためミゲルはタマラをみんなとは違う、必ず最強の男を産むことができると称します。タマラはそれを誇りに思い、ほかの大人に生意気な態度をとる時もありました。タマラは大人になってからミゲルと性行為をし、子ども産まなくてはならないのですが、それに疑問を持たず彼が自分の体の一部のようだ、彼を抱きしめたいとまで思っています。しかし学校に通うようになり、他の世界を知ることになります。さらにタマラを心配した先生が家庭訪問に来てくれたにもかかわらず、最後に厳しいことをミゲルは伝えます。それから今までミゲルへの気持ちがなくなり、違和感を覚えます。また前まで褒められていたり、期待をもたれると嬉しかったのに段々と重荷に変わってきます。そのためタマラは同級生の男の子と性行為に及んでしまい、彼はミゲルに殺されてしまいます。その後タマラは純潔でなければならないという教えを守らなかったのでミゲルを含む数人の男たちに無理やり犯されてしまいます。終わってから目を覚ますとタマラは小屋に火を放ち小屋のドアを閉めて逃げました。後ろ髪をひかれながら、少し怯えながら小屋を離れるシーンで映画は終わります。

 

感想

 終始タマラの思いを流しながら話は進んでいくため、気持ちの変化がわかりやすいです。そのため主観的視点の宗教映画は珍しく感じられ斬新でした。この映画はもちろんタマラが初潮を向かえる前後で心の動きがあったことや急に反抗的になったことから女性への成長を表している映画だと思います。しかし、あえて宗教の方に目を向けた方が面白いのではと思いました。ミゲルは残りの寿命があと30年と言っていたことから恐らく40代後半から50代前半だと考えられます。また出てくるのは女の人が多く、女性男性共にミゲルより明らかに年下です。あとはタマラが寝ている時に横でミゲルと女性がセックスをして、その後その隣のベットの女性と抱き合っていました。このことから明らかにミゲルはただの変態でここの女の人全員としている可能性が高いと考えられます。そのため自身の子どもでさえも手を出したり、または他の人が自分の兄妹に手を出すなどが普通に行われているのでしょう。恐らくタマラもミゲルの子どもです。めちゃくちゃ気持ち悪いです。さらにその事に疑問を持たずに生活している人ばかりなのが余計気味が悪いです。タマラは自分だけ学校に行くことを許されたと言っているので他の年長者達はきっと行っていないのでしょう。通学したおかげでこの環境の奇妙さを感覚的に感じることができたのだと思います。そういう視点で見たらもう少し楽しめる映画のような気もします。でも胸糞悪い映画には変わりません。