あいんの日記

映画や漫画の感想を書きます!宜しければ参考にしていただきたいです!

ある少年の告白

 

 

実話を元にした話らしいです。主人公のジェニットが大学生の時に友人から受けた出来事を被害者、加害者逆で両親伝わったことにより矯正施設に入れられる話です。この施設では同性愛好者をアルコール依存症などのような精神疾患として捉えられており、元来もった性質ではなく自身の選択により引き起こされたものだと括られていました。そのため同性への好意や同性との性的行為を「罪」だとみなしています。施設内では家系図を書いてドラッグやアルコール依存症や同性愛好者などの印を書かされたり、男性であれば男性らしく女性は女性らしくさせられたり、自身の恋愛の経験を「罪」として告白させられ非難し、非難させられていました。家系図をかかされているのは同性愛が遺伝かどうかを確認するためらしいです。その他の行為はすべてアイデンティティを否定することと変わりません。今ではありえない話かもしれませんが、昔はこのような扱いを受ける人が沢山いたそうです。

 映画内で牧師である父親は初めから最後まで息子が同性愛好者ということを受け入れられませんでした。それは神を信仰している立場がそうさせていたのだと思います。逆に母親は最初電話でジェニットが学生を襲ったという話を聞いても、懸命に息子を信じようと話を聞こうとします。最後の方でジェニットが助けを母親に求めた時もすぐにこの施設から助けてくれました。それまでの母親は綺麗で汚い言葉は使わない素晴らしい淑女のようでしたが、息子を守るためにその様子が変わりました。彼女も神を信じ愛していましたが、それ以上に息子を愛していたのだと感じました。映画の最初ジェニットの幼少期の映像からはじまりますが、ここからこの家族が愛を育んできた暖かい家族だということが見受けられます。そのため父親も息子の事が嫌い、という訳ではなく愛しているからこそ自身が信じる「正しい道」に導こうとしたのがこの結果だったのではないかなと思いました。

 LGBTQはいまでこそ学校でも習うような一般的なことにはなってきましたが、実際そのような人に会ったり、接したりするとなると話は別です。私自身実際に会ったことはないので友達が、自分の子どもがLGBTQだったらどうしたらいいかわかりません。その問題をより身近で考えやすい映画になっていたと思います。ただ私にも愛する人がいるのに愛していることを自身で非難することはとても辛いことは分かります。愛する対象が違うだけで愛という感情をもつ人間ということには変わらないという気持ちが大切なのだと感じました。